この里山は、人工林と雑木林が混在しているんです。
雑木林とは、主にどんぐりが生る広葉樹の林のこと。暮らしの必要なエネルギー源となるシイ、クヌギ、ナラなどの薪となる里山には欠かせない木が生えています。
この雑木は「株立ち」と言って、たとえ切ってもまた株もとから生えてきて、20年後には成木となりまた薪が取れるんです。サスティナブルに順応した生態を持っているんですね。
このコナラの落ち葉をかき分けると小さな本葉が顔を出したりします。とても温かく栄養分が高いので、落ちたどんぐりがまた自らで小さな芽を出していくんです。
ただ、このままでは日照不足で成木にはなれないので、この里山での森のサイクルをつないでいこうと、この小さな芽を育苗しています。
この落ち葉は微生物の大好物!雑木の落ち葉は良い堆肥となるので、有機作物づくりには欠かせません。また明渠やボッコづくりなど、地中の微生物を増やして土壌の再生をする際にも大いに活躍します(→コチラ)
一方で人工林とは、杉や桧などの針葉樹を人の手を加えて植えた林のこと。
真直ぐスッーと素性の良い針葉樹は建材に重宝するので、エリア一帯に大量に植えられるために人工林は「木の畑」などと呼ばれたりします。
密度管理など人の手を加え続けないと輝けない森なので、間伐など行って木を育てながら森を維持していきます。現在では林業して食べていくのが難しくなったので、放置された人工林(木の畑)が問題となっているんです。
広葉樹の落ち葉と違い、針葉樹の落ち葉は微生物があまり好まないので、土壌も豊ではありません。さらに放置された人工林は陽のあたりが悪く下草もあまり生えずに、暗く冷たい森となってしまうのです。
あちこちで人の手をかけない人工林や雑木林がとても悲しい状態なのです。
杉は丸太の家づくりにはかかせない重要な木だし、ナラやシイなどは生活には欠くことのできない大切な木。どちらも貴重な自然であることに変わりはありません。
幸運にもどちらの自然もこの里山には存在していているのすが、
長年の放置でダメージを負っています。
荒れ果てた雑木林と人工林の回復は大きな課題なんですね。
再び生命力の輝きを取り戻すのも大切な里山DIYの作業だと思っています。