里山では先月の台風15号の際に何本か倒木しました。
すべて風の通り道にある木々が倒れるか折れていました。
この敷地は谷間と尾根のある豊かな地形をしています。
谷間ではつねに風が流れて空気や水を循環させる大切な役割をしています。
ただ嵐や台風などの際には、強風や雨水が集まりやすく、里山を管理・再生する上でも、風や水の通る谷間の環境はとても重要なのです。
ここでは拡大造林の際にたくさん針葉樹が植えられ、谷間でさえも杉や桧が目立ちます。
写真のようにいったん傾きだすと、次なる強風の際にどこに倒れるか分かりません。かかり木になった風倒木はとても危険なのです。
一般に挿し木された杉などの人工樹は根が浅いのです。この里山でも倒れたように、 谷間や風の通り道などに挿し木の針葉樹が植わっている場合は、注意しておく必要があると思っています。
一方で今回、倒れていない木々と言いますと。。広葉樹の大木でした。
元々の昔、この里山は杉桧はそれほど多くなく雑木の木々で成り立っていました。
どんぐりの木々は根っこが深く根鉢が大きいので、大地をしっかりと掴み、この地形、すなわち谷や尾根の斜面をカタチづくっているんです。
そんな広葉樹たちは今回の強風の中でも倒れることなく森を守ってくれました。
誤った方法で谷間の環境に人の手が入ると、自然のバランスが崩れてしまいます。
残念ながら、この里山でも自然のバランスが崩れています。
災害が起こると、悲しくもそのダメージがカタチとなって見えてきますね。
幸いにもこの谷間の倒木が今回の最大の被害。
逆に捉えると、ここの再生が里山全体の大きな環境の再生につながりそうです。
今シーズンのきこりの作業は、カナリの正念場となりそうです!