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森ダムのはなし


山に溜まる水ってカナリのものですね!

また樹木たちの水の飲みっぷりも大したものです!

 

そう実感します、コレを見ると(驚)

 

敷地南側の山斜面の際で埋没していたコンクリートのU字溝を取り除いたんです。

写真上は、その1日後の状態。 ものすごい水が溜まっていました。

「森が水を蓄え育み守る働き」を森林のかん養機能といいます。

 

雨が降ると、森はその水を大地に吸収していきます。森から川に流れ込む間、木や草花など生物に水を分配していきながら、ゆっくりと水を川に注ぎ込ますのです。

  

わが国の森林の蒸発散量は降水量の3~4割程度であることが知られています。

これは、樹木が雨水の3~4割を光合成に消費しているということです 。

 

このように木は、雨水の量もコントロールしている訳なのです。

 

これが「森のダム」たる所以です。

命の水を分配するこのダムこそが、森の豊な生物多様性の源なのですね。

その自然を豊かにする「かん養機能」を高めるにはどうしたらいいのでしょうか?

 

実は、これには樹木が重要な役割をしていて、樹木の根っこが、大地の血管のように地中で張り巡ることで、土壌の構造や生態を育み、それが地中で水や空気を流すことにもつながり、森に保水力を高め、その結果、かん養機能が高まります。 

 

これには木の種類や多様性が関係してきます。深い根を持つ木や浅い根を持木など色々な種類の樹木で成り立つ「健全な森」がカギとなります。

 

すこしラフに言えば、同じ種類だけの「人工林」などでは、かん養機能が高まらないということです。

もし土壌や生態を豊に育む「かん養機能」が失われていくと。。

 

保水力が弱くなるので、地表がパサパサであったり、地中で水が詰りぬかるんでいたり。人間でいうと、肌の保水機能が低下すれば、乾燥肌になったり脂性肌になったりとそんな状態になってしまいますね。

 

さらに深刻化していけば、生態系が失われていくだけでなく、土砂崩れなどの環境の災害に及ぶ恐れが出てきます。

 

ですから少し肌の調子がおかしいうちに、何か手を打っておきたいところです!

表土がジメジメ、ちょっと掘って水が溜まるこの里山はいわゆる脂性ですね(苦笑)

この里山に多様な根系を発達させて、深い浸透力を高めていかなくてはりません。 

 

 「水は流すものでなく、大地に浸透させる」

 

今回も出来る限りコンクリートのU字溝を減らしていって、

この里山でもかん養機能を高める健全な森を目指しているところですが。。。

 

今は、この溜まった水を流すほかありません(苦渋)

流してみれば、水はあっという間になくなりました、けどね。。。

 

自然をデザインしたり、手を加えたりって本当に難しいです。

浸透させるか、流すべきか、それが問題だ。