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ささやかなビジョン


作業も伐木に入ってきたので、

少しきこりの夢のひとりごとを。

 

ちょいと昔に、跳ね返った丸太が顎にあたって、危うく命を落しそうになった経験があるんです。

 

手術室で千切れかけていた舌を縫い合わせている時に、

「地球にとっては、ひと一人が死のうが木が一本倒されようが、大して影響ないだろうからな。いや、むしろ木の方が自然に負荷をかけずに優しいから、地球は、おれよりも木を選ぶだろうか...」

そんなことを考え、自然の中では、人の命も木の命も大して変わらないのだと身をもって感じたんです。

 

その現場は、たまたま手伝いをしに伺う初めての場所でした。作業者の伐木の技術は未熟で、かなり雰囲気が悪いような現場だったのです。とても嫌な予感がしていたのを覚えています。そんな中での出来事だったのです。誰かがまわりの安全確認もせずに切った、その丸太の跳ね返りを喰らいました。

 

良い現場には、自然を敬う雰囲気があります。お祓いなど行うことも大事でありますが、ちゃんと木に向き合い責任もって木を扱う行いを、ひとりひとりが考えて作業する。そんな環境が良い現場にはあると思います。

 

そんなきこりの経験を通して感じていることが、

わたしたちの自然との向き合い方ひとつで、危険な事故は減るだろうし、きっと自然と仲良く調和した生き方に近づいていくんじゃないかなーと思っています。

 

木を伐る技術は、特別難しいことでもなく、誰でもできる事と思います。

環境を守り良くするためにも、この素晴らしい自然との一体感を得る行いを誰もが出来るようになってほしいと考えています。

 

里山に残る放置された人工林(拡大造成林)は40、50年経ち、現在に整備再生が求められています。ひとりひとりが里山きこりになって少しづつキレイにすることで、里山が再び自然と調和して美しく幸せなくらしの場となっていくと思います。

 

そんなことがあちこち実現して、放置され荒れ果てた里山が再び生命力のかがやきを取り戻せば、どんなにステキでしょう。きっとそこには、人にとっても幸せの営みがあると思います。

 

それがこの「きこりの里山DIY」をしている理由なのかもしれません。

 

わたしでもやっているのですから、誰もができるんです!

少しでもできると思ってくれる人が増えれば、そして里山DIYする人が増えれば、とても幸せですね!

 

ささやかなビジョンですが、これからも肝に銘じて作業を続けていきます!